現在、漬物・惣菜・青果物を取り扱う野島食品は、新潟県三条市にあります。弊社の創業は、文化八年(1811年) 糀、青果物・穀物の取り扱いを商ったと言われています。初代 半吾兵衛が「賃糀(ちんこうじ)」と呼ばれる、~1升の米を預かり、醸して一升の糀と交換する~という商売を始めたのが始まりと云われています。米一升は1.5kgです、糀の一升は約1kgですから、その差の500g分が儲けとなる商売です。
江戸時代では、糀を醸すという事は、温度管理やこうじ菌の管理などハイテクであったと言われています。その後、糀で作る味噌、味噌で作る漬物、漬物で使う野菜、という連関で商いを広げていきました。また、地元でとれる特色のある農産品、野菜も商ったと言われています。知られざる野菜や、食べ方の難しい野菜は、そのままではもちろんですが、直ぐに食べられるように加工して、販売していたようです。
1864年(元治元年)に刊行された「越後土産」(現代の旅行ガイド越後編)の土産番付にも「三條わさび漬」と記されており、この頃より既に特産野菜の加工をしていたことが伺えます。下田郷でとれた、特色ある‘山わさび‘をすぐにでも食べられるように地元の酒蔵で醸された酒粕を使い「三條わさび漬」としていたのではないかと想像されます。
五代目の半一郎の時代には、家庭では食べられていた「十全なす」を商品化しました。変色が早く、日持ちが悪い為どこも商品化をしていませんでした。「おいしい十全なす」を茄子好きの新潟県民に食べてもらいたいという思いでいち早く商品化しました。現在でも、弊社の中心商品となりました。平成30年には自社で畑の運営を開始し社員で栽培を始めました。 十全なすの栽培から、加工商品化をしている企業は弊社のみと自負しています。十全茄子の加工製造は世界一となっています。(会社調べ)
「八百屋半吾兵衛」ブランドは、平成30年6月にスタートいたしました。207年前の初代の思いと同じく、高品質・伝統・地域野菜などの生産物のみを取り扱い、全国に発信していく窓口になりたいという思いで立ち上げました。
時代は変わっても、初代が地元の特色のある産品に込めた思いを受け継ぎ 地元の産品をよりおいしく、より手軽に届け続けていきたい。私たちは、そう考えています。